【最近の授業から(中学理科の学校での指導内容の移り変わりのひとこま)】
(2016年12月27日)
明伸社「理科総合資料集」より
中学2年生の理科で、「電流とその利用」を学習します。たびかさなる教科書の
改訂をへて、文部科学省の指導内容も部分的に変わりました。
10年くらい前までは、「フレミングの左手の法則」が教科書が指定する正しい
考え方で、塾生のみなさんがそれと違う方法で問題を解こうとすると、中学の先
生から注意されて矯正されていました。
塾用のテキストには、大学受験予備校や一部の大学関係の講義で使われていた、
より簡便な方法が載せられていました。
それを指導して、しばしば保護者の方から「学校の教科書と違う」と苦情をお受
けいたしました。
塾関係の方々が文部科学大臣とスタッフを固め
たからでしょうか、現行の教科書には、以前は
塾用教材に載っていた右手の使い方が載せられ
ています。フレミングの左手の法則にいたって
は参考程度に位置付けられています。
中学理科自主学習支援サイト「りかちゃんのサブノート」より
教科書では上のような右手の使い方が解説されています。
大学で学ぶ物理に出てくる右手系座標の取り方と、フレミングの左手の使い方が
かみ合わないことがあるからでしょうか。
開いた手の使い方には、塾・予備校業界ではい
くつかの流儀があります。
そのせいではないとは思いますが、中学理科教
科書には、開いた手の使い方は載せられていま
せん。
旺文社「篠原晃の物理 物理ⅠⅡ明快解法講座」より
学友舎では、20年くらい前から塾専用教材に
載せられていた、中学生向けの方法を利用して
います。
とても効果的で、力の向きがいっさい指定され
ていない問題も解けます。
とは言え、教科書にはまだ載せられていません
ので、「それは必要ない」と言う生徒さんには、
無理じいはしていません。
都麦出版「学年別みるみるわかる中学理科2」より
この方法を考えたのは誰かと興味をひかれて調べてみました。
はっきりとはわかりませんでしたが、ウクライナの学校教育用の図書館サイトに
紹介された、ドイツの職業教育用テキストの英訳版に同じ図がありました。
( ウクライナのサイトからは図が消されました。このサイトに同じページが表示
されています。)
アメリカの大学(pdf)ではこれの右手バージョンが使われています。
(2016年12月27日)