【国文法ー動詞活用の種類の見分け方・入試ではどんなふうに出題されるか】
中学国語で学習する現代国文法は、大切な単元なのかそうでもないのか、位置づけがはっきりしない単元です。
群馬県の高校入試には出題されないことも多く、出題される時は次のような問題です。
基礎的知識を問うものと思考力を問うものに分かれます。思考力を問う問題の方がよく出題されます。
基礎的な知識を問うもの ( 農大二高平成27年度 )
このタイプの問題を解くための考え方は、どの国語参考資料集にも書かれています。
一方、教科書とそれに準じた問題集はこの考え方に触れていないことがあります。
『中学国文法の目的は、活用表を全体的に理解して、高校での古文文法学習に備える事だから』と解説する国語教育関係者もいます。実際、現国文法の活用表を暗記させてチェックテストをした中学の先生もいらっしゃいました。
学友舎では次のような内容を補足説明して問題練習しています。このタイプの問題はくり返し練習すれば比較的たやすく間違えなくなります。(クリックすると拡大表示されます)
正進社「カラー版国語の資料」より 明伸社「国語総合資料集」より
次に入試で本命の文法的思考力を問うものです。(クリックすると拡大表示されます)
(農大二高平成26年) (国立高専平成28年「問2」)
中学生にまかせておくと、このタイプの問題は答えを丸暗記しようとしがちです。
問題出題者の意図は、そのような学習スタイルの受験生を振り落とすことです。
活用表がまったく言えなくても、このタイプに全問正解する生徒さんがいます。
逆に活用表を覚えていても、間違える人もいます。
語幹と活用語尾の区別、活用する言葉と活用しない言葉の区別、その感覚を応用した連用修飾と連体修飾の区別、これができれば、例題を一つも覚えていなくても解けます。
ただし、断定の『だ』と完了・過去の『だ』と『た』は活用がある助動詞に分類されていることは、暗記しておく必要があります。
また、読書量が多くて、言葉のニュアンスに敏感な人は、この手の問題が出題されるとボーナス問題に感じるようです。
定期テストと入試では読解問題と漢字の配点が多く、文法問題は基本的なものが出題されます。そのため、日ごろの授業では細かな項目の暗記練習には深入りしていません。
思考力を試す問題については、機会をとらえては、そのタイプの問題を解くための感覚と思考力を高めるようにしています。その一端を以前お知らせに載せてみました。